発達障害(神経発達症群)の人の中には、「他者に援助を求める」ことができないタイプの人がいます。
- 自分が困っていることそのことを認知できていない
- 自分が困っていること自体は認知できているが、そこからどう動いていいかわからない
- 困っている姿を他人に見せたくない、隠したい。悪いことだと思っている
- 他者に対して異常に警戒心が強い
といろいろなタイプがいますが、共通して「他者に援助を求める」ことを選択肢として選ぶことができないタイプの人がいるのです。
この人たちには、自分が困ったときに、「他者に助けてもらう」ことも選択肢としてあるのだよ、と学習してもらう必要があります。できれば、「他者に助けてもらってうまくいった」という成功体験をつけてもらってほしいです。
小学生くらいまでなら
生徒さんが小学生くらいならSSTを受けるというのも一つの手でしょう。SSTの中でも、自己主張(アサーション)や援助を求めるワークをしたみたらいいかもしれません。
大学生なら
大学生なら障害学生センターを利用するという手があります。障害学生センターの中には、アサーションのプログラムを提供してくれるところや、当事者のために一緒になって、当事者本人にとって最適な「他者に援助を求める」ルーティンプログラムを作ってくれるところもあります。客観的な視点で、当事者がどうしたらいいのか判断してくれるでしょう。
人の選び方を学ぶ
この項では「助けを求める」ということをテーマに述べていますが、本当はそれと同時に、「誰」に援助を求めたらいいのか「人を選ぶ」ことも同時に学ぶ必要があります。発達障害(神経発達症群)の人の中には、他人の善意悪意を見分けるのが苦手で騙さやすいタイプの人がいます。他人を理解するのが苦手で、他人の言葉をそのまま信じてしまったりします。また、極端な意見に振り回されやすいので、ネットの極端な意見を信じてしまうこともあります。どこまでが公的な自分で、どこまでがプライベートかの線引が出来ない人は、携帯電話の電話帳にある人すべてを「自分の友だち」と思っていたりする人もいます。
「他者に援助を求める」だけでなく、助けを求める際に、どのような人が信頼できるか、できないのかを当事者は学ぶ必要があるのです。
このようなことも場合によっては、障害学生センターなどで学ぶ必要があるでしょう。