発達障害(神経発達症群)の人が自己観察力を上げ、そして自己コントロール能力をつけるのに役にたつ方法の一つとして、NLP(神経言語プログラミング)を実践してみる、というのがあります
NLPとは
NLPは、特定の分野で卓越している個人や組織の成功パターンを「モデリング」することで、その卓越性を再現しようとする学びのプロセスです。
アンカリング
NLPのテクニックの中でも、「アンカリング」というテクニックは、発達障害(神経発達症群)の人に有効かもしれません。
「アンカリング」とは
過去のポジティブな記憶や感情を、船がアンカーを下ろすようにつなぎとめておき、いつでも引き出せるようにするテクニック
です。つまり、
自分の五感の刺激と特定の感情(ポジティブなもの)を結びつけ、それを保存しておく。
↓
その感情(ポジティブ)になりたいときは、その刺激を再生することで同じ感情を引き出す。
という技術になります。
トラウマのプロセスは、マイナスの感情が五感の刺激をトリガーとして誘発することがありますが、ポジティブな感情を五感の刺激を通じて引き出すというのが肝です。
望んでいる精神状態になりたいとき、例えば、
- 集中したい
- パニックやネガティブな自動思考から脱出したい
- 過去に上手く行っていた状態を思い出したい
というときに有効でしょう。
ネガティブループから抜け出す
発達障害(神経発達症群)の人は自己観察能力を身につけることがとても大切です。これを身につけないと同じ失敗を繰り返してしまい、
→失敗したことに気がつく
→さらに落ち込む
というネガティブなループに陥ってしまうことが多いのですが、なかなか上手くいきません。
その理由としては、
- 頭に血が昇って興奮しっぱなしになってしまう
- 頭に常にノイズが入っていて落ち着かない
- 自分が何を考えていたのかわからなくなり、思考の迷子の状態に入ってしまっている
ということが多いことがあります。
いつでもベストの状態に持っていける
アンカリングによって、自分の精神状態をいつでも意図的にベストの状態に持ち込むことができれば、自分のことを客観的に見ることが可能になり、自己コントロールがはるかに容易になるでしょう。ネガティブループに入る回数が減り、以前よりも有意義な生活を送ることができるかもしれません。
アロマテラピー
アロマテラピーなどが趣味で、匂いに対する感覚がするどい人なら、自分の好きな匂いで、「アンカリング」すれば有効なのではないでしょうか。
未成年者がNLPを受けることに関しては、慎重に判断する必要があります。未成年の脳はまだ完全に成長しきっていない状態であり、また、自分の心をコントロールすることは自己責任の領域であるためです。そのため、専門家と相談することが必要でしょう。