発達障害(神経発達症群)の人が自己観察力を上げ、そして自己コントロール能力をつけるのに役にたつ方法の一つとして、認知行動療法や論理療法を実践してみる、というのがあります。
認知行動療法とは
認知行動療法とは自分の認知や思考パターンの癖を自分で気がつくようにして、ものの受け取り方や考え方をよりストレスがない方向へと修正していくものです。
認知行動療法はうつや不安障害に対する、非薬物治療として広く使われています。
自分の認知の癖に気がついたあとは、行動技法に移り、自分の行動パターンを変えていくことで改善していくというものです。
認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。
引用:認知行動療法とは (認知行動療法(CBT)とは|認知行動療法センター (ncnp.go.jp))
論理療法とは
論理療法とは、当事者が持っている非論理的な信念体系に気がついてもらい、これを変容していくことで問題を解決していくというものです。
クライアントが持っている非論理的な信念体系に対して論駁していき、それを手放してもらい、より合理的な信念体系をもってもらうというものです。
私たちが悩みを抱えるとき、多くの場合非論理的な思考に支配されてしまっており、その背景には非合理的な信念があるのです。そして、この非合理的な信念を変容させることができれば私たちの感情や行動は変わり、悩みに振り回されることが無くなります。
引用: 論理療法とは 論理療法とは?認知療法との違いや論駁についてわかりやすく解説 – Psycho Psycho (psycho-psycho.com)
認知行動療法と論理療法の違いについては以下のサイトを参考にしてください。
論理療法とは?認知療法との違いや論駁についてわかりやすく解説– Psycho Psycho (psycho-psycho.com)
自分の思考の癖に気がつくことが大事
発達障害(神経発達症群)の人は自己観察力に乏しいことが多く、そのため様々な困りごとを感じてしまうことがあります。
多くの場合、当事者は自分の思考の癖に自分では気がついていないことが多く、
そのため、
- 同じミスをしてもなかなか修正できない
- いつのまにか自動的にネガティブな思考パターンに入り、気持ちが暗くなる
ということを繰り返してしまいます。
認知行動療法や論理療法によって、自分の思考パターンに気がついてもらうことは大切です。
理屈っぽい人は向いている
個人的には、(今まで生徒さんをみていて)いわゆる「理屈っぽいタイプ」や「納得しないと動けない」というタイプの人は認知行動療法や論理療法が向いているのではないか、と思います。高IQの発達障害(神経発達症群)の人の中には、他人が何を言おうが、本人の中で内的に論理的な整合性が取れていないと全く動けない、というタイプの人がいます。「なんとなくそうなっているから」「みんなそう言っているから」という空気で物事が決まることが多い日本の社会ではこれらの人は苦労することが多いのですが、上記のタイプの人は自分の行動を自分で論理的に納得させる作業を内的に行うことができれば、ストレスを軽減させることができます。
高IQ理系アスペルガー(自閉症スペクトラム障害)の人の中には、非常に高レベルの思考、分析ができるわりには、自己の感情や価値観に対して無自覚で、自分の価値観の偏りを自分で客観的に見ることができない人が結構いらっしゃいます。このようなタイプの人は認知行動療法や論理療法が効果があるかもしれません。