発達障害(神経発達症群)の当事者が将来に展望が持てないとき、今までの自分の価値観やものの見方を見つめ直すチャンスだと捉える考え方があります。
先の展望が見えないときは、自分を見つめ直すチャンス
物事についてネガティブな方向しか見えないときは、たいてい、
・その分野そのものがその人にとって向いていない
かあるいは、
・その分野そのものは向いているが、考え方やものの見方がその人の本来のものとずれている
のどちらかであることが多いです。
人は通常の状態では、自分が当然として持っている価値観をメタ視点で観察することはありません。「当たり前」過ぎて意識することはありません。しかし、何らかの困難にぶち当たったとき、深く自分の心を観察すると、「ああ、自分はこのような考え方、価値観をもっていなのか」と気がつくことがあります。つまり、うまくいかないときは、自分の人生についての軌道修正ができるチャンスとも言えるのです。
そして、自分の価値観や考え方のどこに問題があったのか、どのように修正したらいいのかわかると、(絶対とは言えませんが)、多くのケースで、問題が勝手に解決したり、解決しないまでも問題解決の方向性が見えたりするのです。
ですから、将来に展望が持てないという状態をネガティブに捉えるのではなく、チャンスと捉えることが大事です。
自分の棚卸し
自分の価値観や考え方を見つめ直し修正するには、いろんなやり方があります。
内観や認知行動療法のような方法があります。
自分一人だと煮詰まってしまうタイプなら
自分一人で考えてしまうと、煮詰まってしまうタイプの人なら、
自分のことを友人や第三者に話すことで自分のことがわかることがあります。
話している間に、「あっ、自分はこれがやりたかったんだ」と気がついたりするのです。そのような相手がいない人の場合は、信頼できるカウンセラーに対して、自分のことを話す習慣をつけていけばいいでしょう。
自分を棚卸しできるというのはすごいこと
正直申し上げると、「自分を棚卸しする」ことができる状態になるところまで行くことができるのは、当事者にとってはとてつもなく成長した状態です。ここまでたどり着くことができる人はなかなかないです。逆に言えば、当事者にとって一番苦手な「自分の棚卸しする」ことができると、よりその人は伸びると言えます。
自分を棚卸しするために、一番必要なことは何でしょうか。
それは自分自身を観察する力を身につけることです。
では、自分を観察する力を身につけるにはどうすればよいでしょうか