他人の生き方を参考にする
発達障害(神経発達症群)の当事者が将来に展望が持てないとき、良い方法の一つとしては、「自分が目標となる人物をもつ」というのがあります。自分が好きなジャンルで成功している人のことを調べて、どうすれば自分がそのようになることができるか考える、動いてみる、ということです。
動いてみて、最初に思った通りの結果が出ないかもしれません。また、途中で「違う」と思って軌道修正することがあるかもしれません。それでも、そこで調べたり、動いたりする過程で、自分が得られるものがきっとあるはずです。最初のころは持つことができなかった展望が得られることもあります。
梅原大吾
もしゲームが好きなら、プロゲーマーの梅原大吾さんのYoutubeを見て何か得るものがあるか見てみるのも一つの手です。
要領が悪く生きづらさを感じていた「社会に出るのがきつかった。なんでできないのって言われるのがきつかった。全員にキャラ差を感じた。」
ニートだったはずのウメハラがニートを回避できた理由(ゲームではない)
梅原さんも非常に苦労して自分の道を見つけられたことがわかります。普通の人にとって「当たり前」にできることができない悔しさや屈辱感を何度も味わってこられた人だとわかります。その中でどうすればいいのか、考えてこられたことは、他の方が視聴しても得られることがあるのではないでしょうか。
自分のことのように思われる当事者もたくさんいらっしゃると思います。
プロゲーマーになるということを目標にすること自体は、なかなか厳しいかもしれませんが、学ぶことができることはあるはずです。
ジェイミー・オリヴァー(Jamie Oliver)
もし料理に興味があるのなら、イギリスで「裸のシェフ」として知られている、ジェイミー・オリバーについて調べてみるのがいいのではないでしょうか。ジェイミー・オリバーはイギリスにおいて、食の重要性を訴え、ジャンクフードをなくして、栄養バランスの取れた健康的な食事を提唱している人です。子どもたちの学校給食の改善にも取り組んでいる人です。
ジェイミー・オリバーは自閉症スペクトラム(ASD)の一種であるアスペルガー障害をもっており、学業や対人コミュニケーションでは非常に苦労したとのことです。特に文章理解や計算が苦手で、抽象的な概念を理解することができませんでした。彼は実務でしか理解できないタイプであったようです。
リチャード・ブランソン(Sir Richard Charles Nicholas Branson)
もし、実業家や冒険家に興味があるのなら、イギリスのヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソンのことを調べてみるのはどうでしょうか。
レコード会社から航空会社まで幅広くビジネスに挑戦した人です。冒険家としても知られており、熱気球による大西洋横断飛行などに挑戦されました。
リチャード・ブランソンは子供のころにディスレクシアに悩まされた経験があるそうです。また、とにかく新しいものに飛びついて挑戦したくてたまらない、そのためなら身の危険など全く考慮しない、という性格のようです。
いろんなアイデアが次から次に沸き立ち、いろいろ動きたいけどどうしたらいいかわからない。地道に地に足をつけて行動するのが苦手だ、というタイプの人は彼の事績は参考になるかもしれません。
ADHD的な傾向が強い人は自分はアイデアを出す側に廻って、堅実な事務的作業は信頼できる人を見抜いてその人に任せたほうがうまくいくことがあります。リチャード・ブランソンは特にその能力が高かったと聞いたことがあります。