スケジュール管理は最優先のソフトスキル
発達障害(神経発達症群)の人の中には、スケジュール管理、日常の事務・雑用処理が苦手な人がいます。先の予定が立てられなくて重要な仕事を忘れてしまっていたり、ものの整理ができなくなって、家に不用品が溜まりに溜まってしまったりします。自己管理できるようになるかは、当事者にとっては自立できるかできないか一番大切なところです。このようなスキルをソフトスキルといいますが、大抵の当事者は仕事の内容それ自体(ハードスキル)よりもソフトスキルで苦労することが多いです。
スケジュール管理ができるようにするためにはどうすればいいでしょうか?
おすすめの方法としては、
カレンダーを使う
古典的でアナログな方法ですが、未だに有効とは言えます。
カレンダーに直接予定を書き込むことで、自分の動作と連動して覚えますし、直接本人の視界に入るので視覚優位の人ならかなり有効です。カレンダーでなくても、todoリストを作成することで当事者にとっては整理できるようになります。やることの予定を付箋で貼るというパターンも人によっては有効です。やり終わったことは付箋を外すようにすると、本人が達成感を感じることができる上に、現在の状況を整理しやすくなります。
当事者本人がこれをするのが苦手なら、保護者が助ける、あるいは支援者がこれを行うことも有効です。過去に「勉強はできるが、スケジュール作成が苦手」な生徒さんがいましたが、私はその生徒さんに対しては、勉強を教えるのではなく、スケジュール作成をメインに仕事をさせていただいたこともあります。
(ただし、字を書くのが嫌い、あるいは極端にワーキングメモリが小さくてすぐに忘れてしまう、というタイプだと上手く行かないときがあります。)
Googleカレンダーに予定を入れていく
Googleアカウントを持っていると、Googleのカレンダーアプリを使うことができます。これにはリマインダー機能があり、ここにスケジュールを書き込んでいくと、そのアカウントに紐づけされたGmailに予定が送られてくるようになっています。例えば、「2月11日午後5時 〇〇さんと打ち合わせ」とカレンダーに入れると、前日にそのアカウントのGmailにそれがメールとして送られてくるようになっています。いつ送ってくるのかは自分で設定できるようになっています。
これはかなり重宝する機能です。ビジネスマンなら使っている人は多いのではないでしょうか。Googleのアプリは使いこなすとかなりのことができるようになっています。
アレクサを使う
ある当事者とそのお母様はアレクサ(Alexa)を使ってスケジュール管理をしたり備忘録として使っています。ワーキングメモリが小さいタイプの人は、すぐに何をしたらいいのか忘れてしまうので、予定が入ったり、何か気がついたことがあったら、とにかくすぐにアレクサに「アレクサ!!2月11日午後5時 〇〇さんと打ち合わせ」とか叫ぶ習慣をつけたそうです。そうやってアレクサを自分の秘書として使い倒しています。アレクサは機械なので、過労死する心配もないし、待遇に不満を持つこともないので安心ですね。
アレクサはかなり便利で当事者の方はアレクサを使いこなせるようになれば、かなり自分を助けてくれるようになります。昔に比べれば、このようなIT機器の発達で、発達障害の人の生活はかなり助かるようになってきました。