京都の西部地域で家庭教師を行っております。主に発達障害のお子さんの家庭教師をしております。


SSTとは何か


SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは何か

 発達障害(神経発達症群)の人の中には、対人コミュニケーションが苦手、あるいは対人コミュニケーションの意味が理解できないという人がいます。

 SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、人が社会で生きていくために必要なスキルを遊びやワークを通して身につけてくプログラムのことを指します。

 そこで、対人関係に関する基礎知識や、相手の気持ちを理解する、自分の意思や感情を相手に伝える、自分と相手との人間関係の問題を解決する練習をする、といったことをしていきます。このような能力(スキル)は、定型発達の人は子供時代に様々な人間関係を通じて学んでいくものですが、発達障害(神経発達症群)の人にとっては「自然に」学ぶことが困難なものが多く、意図的に学習しないといけないものなのです。

 SSTには、幼児向けの、あいさつや礼の仕方を習うものもあれば、小学生~中学生向けの、対人関係のトラブルをどうやって円滑に解決するか、というケーススタディ的な学びもあります。専門家に適切なプログラムを提供してもらうようにしましょう。

具体例

・いろんな表情の絵やキャラクターを見せて、「このひとは嬉しそうかな」「怒っているかな」とかを考えていきます。


・シチュエーションが描かれた絵を見せて、登場人物がなぜ困っているのか、話し合って推察してもらいます。その後、どのように解決したらいいのか、登場人物になってロールプレイをしてもらいます。

これらのワークを通じて、他者の気持ちを理解するスキルを上げていく、というものです。

自閉系はとにかくコミュニケーションの勉強

 SSTの中でも何が大事なのか、と聞かれたら、自閉系の人にとっては間違いなく、「コミュニケーション系のSSTが大事」と答えます。自閉系の人は対人コミュニケーションの意味や意図ができないために、トラブルを起こしたり、被害を受けたりすることが多いからです。正直言うと、自閉系の人の中には、SSTを学習したからといっても、最後まで対人コミュニケーションの意味を理解できないまま終わる人がいます。それでも、対人コミュニケーションの円滑な進め方をマニュアル化して覚えることで、ある程度トラブルを回避できるようになります。

 SSTは心理療法士が提供しているものもあれば、支援学校の中でのプログラムとして提供されているものもあります、また、放課後等デイサービスによっては提供しているところもあります。

SSTにまつわる問題

就職に必要なスキルとつながっていないときがある

 日本における発達障害(神経発達症群)の就労支援の第一人者である、梅永雄二先生が指摘されていたのですが、支援学校等で行われているSSTと職場で必要な対人コミュニケーションスキルが一致していないことがあり、就職支援の現場では、職場に合わせた対人コミュニケーションや自己管理のマニュアルを組み直す必要があるとのことです。(リンク 033。(SSTの悪口を言っているわけではないのですが)、SSTは言われているほと汎用性がないときがあるのです。

大学生になってようやく問題に気がつく

 自閉症傾向のある人でも、知的能力が高くて、今まで学習面では問題がなかった人は、当事者本人あるいは保護者がSSTの必要性を感じない、あるいは必要性に気が付かないということがよくあります。大学生になってバイトで問題を起こしたり、就職活動で自分のコミュニケーションに問題があることに気がついて、ようやく慌てだすということがよくあります。このタイプの場合、大学生になってようやく社会的関係の勉強をしないとけないということで、パニックになったり、今までの自尊心を傷つけられたりします。偏差値さえ高ければ大丈夫だと思っていた保護者はこのことに気が付かなかったりします。(京大生や東大生でも、対人コミュニケーションの意味が全くわかっていなかった人は結構います)

支援者との相性や自閉の度合いによる問題

 自閉症傾向のある人にとっては、SSTは大まかに見て必要なものだとは思いますが、当事者の自閉の度合いによっては、その地域のSSTのプログラムと合わないということもそこそこ聞きます。また、SSTのプラクティショナーとの相性も結構関係あるようです。

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