スマホ中毒、ゲーム中毒になる
発達障害(神経発達症群)の人の中には、スマホ中毒、ゲーム中毒になる人が非常に多いです。これはかなりを占めていてかつ深刻で、すぐに解決できるものではありません。
親和性がありすぎる
発達障害(神経発達症群)の人にとっては、スマホ、ゲームはどうしても親和性がありすぎます。
ADHD傾向の強い人は情報に興奮しやすいので、ひっきりなしに情報が入ってくるSNS等は、常に脳が興奮して休まらない状態になります。
ASD傾向の強い人は、現実よりも、アニメやゲームのような閉じられた仮想空間の方が安心できる傾向があります。ASDの人にとっては、現実の世界の方が”読めない複雑な世界”で恐怖の対象であり、コマンドで押したら思った通り動くゲームの方が安心だからです。
時間の概念がないタイプの人の場合、どれくらい時間が経ったのか認知できないので無制限にし続けてしまいます。
オタク的世界観との親和性が強いので、その世界にどっぷり浸かりすぎてしまいます。
ストレス解消、現実逃避をしていることを自覚してもらう
解決への道筋として大事なことは、当事者本人に、「自分はストレス解消、現実逃避をしているからスマホ中毒、ゲーム中毒なのだ」と自覚してもらうことです。「そんなん当たり前やん」と突っ込む人もいるかもしれませんが、当事者の中には、そのこと自体に気がついていない当事者はわりと多いのです。
そのため、当事者には自己観察力をつけてもらうことが非常に大事になります。
自己観察力をつけることで、自分がなぜその行動にハマっているのか気がつくことができるからです。これには数年かかるかもしれません。というかそれくらい時間がかかることを覚悟したほうがいいでしょう。実際、ある生徒さんは3年くらいしてようやく、「あっそうか、自分は嫌なことがあったときにずっとゲームすることで何もなかったかのように思いたかったのか」と自分の感情を見て気がつくことができました。それで完全に依存症が改善されたわけではないですが、ようやく改善の一歩にたどり着いたのです。定型発達の人も多くの人はある程度、スマホ、ゲームをストレス解消に使っていますが、(人にもよりますが)ある程度そのことを自覚しています。この「ある程度自覚している」段階にくるまでにすら数年かかることがあるのです。