イヤーマフ(ヘッドホン)を使う
発達障害(神経発達症群)の人の中には、聴覚過敏の人がいることが知られています。
そのため、イヤーマフ(ヘッドホン)を使うことが場合によっては必要になります。当事者によって脅威となる音から退避できる上、耳に入る情報量が少なくなることで精神的な負担が少なくなります。
イヤーマフの性能
もちろん聴覚過敏といっても個人差が大きいのですが、できれば性能がいいものを選んだほうがいいでしょう。「30db」まで押さえられるものならだいたい大丈夫なようです。
考慮すべきこと
発達障害(神経発達症群)の人にイヤーマフをしてもらうに当たって考慮しておくことがいくつかあります。
理解がない人もいる
今でもまだ、子供が街中でヘッドホンをしていることに対して否定的、あるいは「不良」だと思っている年配者がいらっしゃるということです。これは実際の話しですが、あるお母様が地下鉄で自分の子供さんにイヤーマフをつけさせていたところ、周りの身も知らぬ人からボソボソと、「こういう親って子どものしつけがなってないわ。人前でイヤホンをつけるのが失礼というのがわからないのかしら」とか陰口を叩かれたそうです。
正直いうとこれはどうしようもないことで、子供さんを守るためのコストと割り切って、「言われても仕方がない」と心を強くもっておかないと仕方がないです。
外で移動中につけさせない
どうしてもイヤーマフの存在を忘れて、外で移動中もつけっぱなしになることがあるのですが、つけたままだと、車の接近などに気が付かないことになり、大変危険です。イヤーマフは仕様上は車の音などは物理的には聞こえるようになっていることもありますが、イヤーマフをつけたことによって心理的に過度に安心すると、外の音を意識しなさすぎて急に動き出してしまったりします。
人の話を聞いているときは外すようにする
発達障害に理解のある人なら、感覚過敏だからイヤーマフをしているのだな、とわかってくれるのですが、一般の社会だとわかってくれません。一般社会の価値観だと、人が話しているときにヘッドホン等をつけているのは大変失礼な行為になることを、発達障害の当事者にも知っておいてもらわないといけないです。ただし、発達障害の当事者の中にはメンタル的な成長が遅れていたり、社会的な約束事を理解する力が乏しい人もいらっしゃいます。そのため、SST等を受けてから、そのような社会的なルールを習うといいでしょう。その人の成長度にもよりますが、
「人の話を聞いているときはイヤーマフを外すようにする」といった約束事は、中学生や高校生くらいの年まで遅らせたほうがいいときもあります。