京都の西部地域で家庭教師を行っております。主に発達障害のお子さんの家庭教師をしております。


パワーゲーム


対人関係で主導権を取ろうとする

 発達障害(神経発達症群)の人が勉強ができない(しない)原因として、保護者や支援者に対して”パワーゲーム”をしかけている場合があります。当事者は意識的な場合もあれば、無意識的な場合もありますが、自分を中心とした人間関係で、自分が主人になる、相手に対して主導権を持つためにいろいろな駆け引きをすることがあります。その一環として、意識的あるいは無意識的に「勉強ができない」という態度を取ることがあります。

よくあるケースとしては、

1,自分に構ってもらうためにできないふりをする

 自分に関心をもってもらうために、わざとできないフリをします。何度教えても同じところを間違ったりします。保護者や支援者が必死になって教えれば教えるほど、それを繰り返したりします。

2,人や目的によって勉強の出来を変える

 このタイプの人は相手を操作しようとする傾向が強いです。自分の言いなりになる相手かならないかを無意識的に見極め、それによってパフォーマンスを変えます。言いなりになる相手だと頑張りますが、言いなりにならないと見るとわざと出来ない人間であるように振る舞います。また、同じ相手でも、自分が操作しやすい状況になるように、日によってパフォーマンスを変えます。非常にやっかいな相手です。

人格障害を同時に持っていることも

 発達障害(神経発達症群)の人が強烈な失敗体験などを繰り返した際に、二次障害として反抗挑戦性障害、境界性人格障害、反社会性人格障害などをもってしまうことがあります。このようなタイプの人は意識的あるいは無意識的に、他者を巻き込んでその人たちを消耗させようと様々な人間関係的な駆け引きを用いることがあります。正直に申し上げると、この対処はかなり難しく、家庭教師の案件をお断りさせていただくこともあります。

 経験のある臨床心理士のお話であったのですが、ある患者さんとお話していったところ、最初はその患者さんは境界性人格障害だと思っていたのだが、よくよく接してみると発達障害が隠れていたというというケースは結構あるそうです。この”2階建て”構造の障害の対処はかなり大変だ、とのことでした。

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