発達障害(神経発達症群)の人が勉強ができない状態になってしまう理由の1つとしては、「疲労」が原因としてあります。
とにかく疲れる
発達障害(神経発達症群)の人はとにかく「疲れる」ことが多いです。多くの人が、感覚過敏や過集中、自動思考、対人コミュニケーションでの緊張、などの問題を抱えており、知らず知らずのうちに疲労していることがよくあります。
疲労していると、どうしても勉強のパフォーマンスに影響がでてしまいます。保護者や支援者は当事者の生徒さんがどれくらい披露しているかを確認しておく必要があります。
疲れているように見えなくても要注意
ここで気をつけないといけないのは、発達障害(神経発達症群)の人の中には、
- 疲労が顔の表情に出ない
- 疲れているが、それを他人に意思表示が出来ない
- アレルギー症候群やぜんそくといった形で心身症のような形出る
- 感覚鈍麻で自分が疲れていることを感じていない
というタイプの人たちがいることです。
疲労が顔に出ないタイプ
経験がある人ならご存知だとは思いますが、発達当事者には様々なタイプの人がいて、その中には、自分の体調や内面の感情がほとんど顔の表情に出ないタイプの人がいます。内面では様々な感情が渦巻いていたり、「今日しんどい」と思っていても、それが顔の表情に出ないのです。そのためこのタイプは注意して声掛けをする必要があります。
疲れているが、それを他人に意思表示が出来ない
発達当事者には、自分の内面の状態を自分で認知していなかったり、他者に意思表示(アサーション)ができないタイプの人がいます。自分で自分の内面の問題を認知できないタイプの人は、身体に問題が表出することがあります。ある生徒はかぜの症状を繰り返していたのですが、何度も、「医学的には風邪ではない。心因性の風邪だ」という診断を受けていました。
感覚鈍麻で自分が疲れていることを感じていない
発達当事者は感覚過敏を持っている人がいますが、同時に感覚鈍麻を持っていることがあります。よくあるケースなのですが、冬に厚着をするのを嫌がり、薄着ですごしてしまうことがあります。本人はケロッとして過ごしているのですが、実際には体が冷えて血流が悪くない、カチカチに体が凝ってしまっていることがあります。(リンク103)また、夏に「暑い」と言って、冷房を最低温度にしてしまい、そのまま寝てしまったりして、体が冷え切ってしまっていることがあります。これも本人は自分では気が付かず、体調が悪い自分自身を認知していなかったりします。(リンク084)
対策
まずは保護者や支援者が当事者のコンディションを継続的にチェックしていく必要があります。
これはある程度の年までは続ける必要があります。
しかし、当事者が大人になるまでには、当事者本人自身で自分のコンディションを自分でチェックする習慣をつけてもらうようになってほしいです。