同じことを何度も考えて消耗してしまう
発達障害(神経発達症群)の人が勉強ができない状態になってしまう理由の1つとしては、ある一つの会話の内容が気になったり、自分の体験で理解できなかったことを、頭の中で何百回、何千回も思い返して、消耗してしまっていることがあります。
定型発達の人に比べると、日常生活においても学校生活においても、一つ一つの状況についてこだわりすぎてしまったりすることがあります。また、対人コミュニケーションが理解できないことが多々あり、困ってしまったときに、ひとまず考えるのをやめる、という選択肢を取ることができず、先に進めなくなってしまうことがあります。
あの会話の意味は何だったのだろう
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「私の前で言っていたあの会話の意味はなんだったのだろう」
「・・・・・・なんだっただろう」
というようなことを無限ループでずっと繰り返してしまっていることがあります。このタイプの中には、自分がこの状態になっていることに自分で気がついていない、ましてやずっと考えすぎて消耗していることに気がついていない人がいます。
これはコンピューターに例えるなら、バグが発生しているが例外処理ができていなくてアプリを適正終了出来ない状態になっていて、CPUとメモリが占有率100%近くに達してフリーズした状態になっていることによく似ています。
自分ではどうすることもできず、同じ状態を繰り返して固まってしまっているのです。
感情を吐き出してもらう
このような状態の時は、当事者に、自分の感情や体験を吐き出してもらうことが大事です。まず最初は、「今日何があったの?」「最近どういうことしてる」という世間話から始めてもいいでしょう。最初は要領を得ない回答が返ってくることがあります。それでも辛抱強く聞いていくうちに、いろいろと話し出すことがあります。話し出してしばらく経つと、「あっそうだ。〇〇のことがあって私は困っていたんだ」と言い出すことがあります。そこまで行ってようやく、当事者は自分が悩んでいたことを自己認知できたりするのです。当事者が自分の困りごとを吐き出したあと、急に頭が動き出して勉強がはかどるようになったことは何度もありました。メンタルと勉強のパフォーマンスに密接な関係があることがよくわかります。