
発達障害(神経発達症群)の人の中には、大人数がいる環境が苦手というタイプの人がいます。定型発達の人の何倍、場合によっては何十倍、何百倍の負荷がかかってしまい、勉強をするパフォーマンスに影響が出ます。
大人数が苦手といっても細かく分ければいろいろです。
- 人が群れているという視覚的な情報自体がダメという人もいますし、
- 他者の視線が苦手という人もいます
- 複数の人が話していて、音が重複していることにストレスを感じる人もいます
- グループワークのように1対複数で話すことにストレスを感じる人もいます
自分で認知していないことがある
これらのことに対して多大なストレスを感じていることが多いです。大事なことは、当事者がこのことをきちんと自分の問題として保護者や支援者に意思表示できることです。当事者の中には、明らかにストレスを感じているのにも関わらず、本人自身では認知していないことがよくあります。このようなタイプの人がよくする口癖なのですが、「みんなも我慢しているから」「他の人もそうしているから」というものです。たいていの場合、他の人も自分と同じように負荷を感じていると思い込んでいて、「これが当たり前」と思い込んでしまっていることがあるのです。
この問題は遅くても就職活動に入るまでには、専門家にきちんとアセスメントしてもらい、助言と対策を仰ぐ必要があります。
音が重なって聞こえる
発達障害(神経発達症群)の人は多くの場合、大人数が苦手なことと同時に、聴覚過敏も持っていることが多いです。その際には授業中、周りの生徒の声が先生の声に重なって聞こえないということが起こります。多くの定型発達の人は、無意識に、「自分に関係する音」と「自分に関係がない音」をふるい分け、「自分に関係がない音」を聞き流すことをしているのですが、発達障害(神経発達症群)の人の中にはそれができない人がいます。その場合、本人に非常な負担がかかっていることがあります。
被害妄想を持つことも
さらに、自閉度が高い人の場合は、自分が聞いている声の指向性、つまり誰から誰に話された声なのか、ということを理解するのが困難なタイプの人がいます。場合によっては、自分が聞いた声は、全部自分に関係したことだ、と思い込んでしまうタイプがいるのです。
人間関係を理解するのが苦手でかつ被害妄想が強いタイプだと、自分が耳にする声が「自分に向けて放たれた悪口だ」と思い込んでしまうことがあり、トラブルになってしまうことがあるのです。
対策としては、
当事者本人がどれくらい大人数の環境で負荷を感じているのかを、当事者自身に認知してもらうことが大事です。場合によっては専門家のアセスメントを受けたほうが良い場合もあります。
そのうえで、通常クラスで授業を受けるか、支援学級(育成学級)で授業を受けるかの判断をする必要があります。融通が効く学校なら、普段は通常クラスで授業を受けて、本人がストレスを感じたら、相談室や保健室に退避してそこで学習する、という形を許可してもらうことができます。