発達障害(神経発達症群)の人の中には、事務管理的なことが極端に苦手なタイプの人がいます。特に、プリントの管理ができなくて、結果として学習に問題を生じてしまうことがあります。各教科の授業で渡されたプリントをそのままカバンに押し込んで無くしてしまう、破損してしまう、ということはザラです。ご存知の通り、ADHD傾向の強い人は特に、プリント管理が苦手です。
これは「自分で段取りが組めない(スケジュール管理ができない」と並行して起こることが多いです。
プリントを無くすので、その範囲の内容を全く覚えていないというになりますが、本人はその分野があったことすら意識になかったりします。必死で探して、テスト前日に、テスト範囲に含まれているプリントが見つかることもありますが、手遅れになることもあります。
また、プリントを確認しないでいると、たいていの場合、発達障害(神経発達症群)の生徒は、試験範囲の内容の全体像を把握しないまま勉強していることが多いです。ですから何が重要で何が重要でないのか、設問者はどこを重視して問題を出してくるのか読むことができない、つまり戦略を立てることをせずにダラダラ学習することになってしまいます。
試験範囲が書かれたプリントをなくす
より深刻な問題としては、定期試験の試験範囲が書かれたプリントを無くしてしまうことです。これは本当によく「あるある」で、保護者や支援者が真っ先にこのプリントを確保する必要があります。試験範囲がどこなのかわからず、適当な勉強をして悲惨な成績になることが容易に予想できます。
内申点に関係する
また、多くの公立中学や公立高校では、提出物による内申点評価があります。プリントによる提出物もかなりを占めます。これができていないと、内申点評価が想定していたよりも低くなってしまって、びっくりしてしまうことになります。そのためプリントによる提出物も常にチェックしておかないといけないのです。
中高が一番大変
今までの経験から見ていくと、多くの発達障害(神経発達症群)の人は、プリント等の有体物の管理よりも、パソコン等を使ってデジタル的に管理する方がずっと楽にできていました。そのため、パソコン等を使いこなせる人であれば、中学・高校時代よりも大学以降のほうが苦労しないです。逆に言えば、パソコンを使いこなせるようになることが絶対条件であるとも言えます。最近の子供さんはスマホばかりいじっているために、案外パソコン操作が苦手な人もいるのですが、パソコン操作に慣れておいたほうがいいでしょう。現代の社会では書類よりもパソコンを使って業務をすることの方が多いからです。
保護者が助けざるを得ない?
一方、ほとんどの中学・高校では、未だにプリントによる連絡や授業、提出物が多いです。そのため、ある程度は支援者や保護者が手伝わないとどうしようもないかもしれません。特に、定期試験の成績を上げたり、内申点のために提出物をきちんと提出すること望まれる場合は、保護者が助けざるを得ないことになります。もちろん、どこまで助けるかはそのご家庭の価値観によるのですが。