
外的環境に敏感な人
HSP(Highly Sensitive Person)は、「非常に感受性が高く、繊細な気質を持つ人」を指します。HSPの人は、外部からの刺激に対して敏感で、深く物事を考える傾向があります。例えば、大きな音や強い光、人混みなどに疲れやすかったり、他人の感情に共感しすぎてしまうことがあります。一方で、美術や音楽などに深く感動する能力や、他者の気持ちを察する力が優れているという特徴もあります。HSPは病気ではなく、生まれつきの気質であり、人口の約20%が該当するとされています。
HSPを併発している発達障害の人
発達障害(神経発達症)の人の中にはHSPをも持っている人がいらっしゃるのは事実です。このような人の場合、大きく分けて、
・人と関わると傷ついたり疲れてしまったりしてしまい、だんだん社会的なコミュニケーションを避けて引きこもる。
か、あるいは、
・他者の気分や要望に対して敏感すぎるために、他者に無理に気を使ったり、空気を読みすぎてしまい(過剰適応)、ある日限界を超えて潰れてしまう。
というパターンになることが多いです。
ただし、発達障害(神経発達症)の人の多くがHSPをもっているというのは間違いです。(一部の人が言っていますが・・)
ASD傾向の人が(HSPの人のように)傷ついてしまうケース
ASDの人の中にも非常に傷つきやすく、メンタル的にダメージを受けやすい人がいます。実際にHSPを併発しているケースもあるのですが、それ以外のケースもあるのです。
指向性を持って情報を受け取れない
ASDの人の中には、外界から情報を受け取る際に、その情報、コミュニケーションの指向性を読むことが苦手な人がいます。つまり、誰から誰にコミュニケーションが行われているのか読むのが苦手なのです。
例えば、ある教室で先生が、うるさい生徒に対して怒っている場面を想像してみましょう。その先生はうるさい生徒に対して、
先生→(うるさい)生徒
というコミュニケーションを行っています。
しかし、ASDの中でもコミュニケーションの指向性を読むことが苦手な人は、その先生の怒りが自分に向けられた、と感じて、動揺したり、逆ギレしたりしてしまうことがあります。
指向性をもって情報を受け取れないタイプの人は、
自分の周りの出来事が全部自分に関係している
と思い込んでしまいます。
酔っ払いが喚いていたり、クレーマーが店員につっかかっている場面を見たりしただけでも、自分が攻撃されたと感じる人もいるのです。
感情処理が苦手な人だと、その感情処理だけで1日以上かかったりします。そうすると、一見HSPの人のように、外的環境に敏感すぎて、外出を避け、引きこもっているように見えるのです。