
感覚過敏をもっている
発達障害(神経発達症)の人の中には皮膚の感覚過敏をもっている人がいらっしゃるということはよく知られています。よくあるのが、ウールなどの毛先が皮膚に当たるような服を嫌がり、薄着をしてしまうということです。
着替えるという動作を嫌がったり、TPOに合わせて着替えるという概念そのものがなかったりするので、冬でも薄着をしてしまうことが多いです。
他には、
・ある特定の肌触りの服のみを気に入り、そればかり着てしまう。(固執性)
・体を締め付ける服を嫌がり、いつもダボダボの服を着てしまう。
というのが典型的です。
薄着のまま行動し、体が冷えてしまう
よくあるケースなのですが、
・毛先が当たる服を嫌がる皮膚の感覚過敏
と
・寒さを感じない皮膚の感覚鈍麻
が並立していることがとても多く、冬でも薄着で行動してしまうことが多いのです。
ここで気をつけないといけないこととしては、
本人は大丈夫だと思っていても、実際には体が冷え切っていて血行が悪くなっていることがある。
ということです。
このような生徒さんの場合、体が冷えたために血行が悪くなり、ものすごい肩こりになっていたり、軽い鬱状態になっていたりすることがあるのです。
ですから冬に上記の状態になることがないように気を配っていく必要があります。
このような生徒さんに対しては、家族や学校が連携して季節に合った服装を選ぶ習慣を支援することが重要です。たとえば、朝の出発前に家族が天気予報を確認し、「今日は寒いからこの厚手のジャケットを着ようね」と具体的に提案します。また、感覚的に寒さを感じにくい場合は、体感温度に頼らず、一定のルールを設定するのも有効です。「冬は必ず長袖と長ズボンを着る」など明確な指針を作ることで迷いを減らします。
追記:
アレルギーと併発することも
また、皮膚の感覚過敏をもっている人の中には、アトピーなどのアレルギー症状や喘息を併発している人が多いので、それにも目を配る必要があります。根っこにあるのは同じ原因なのかもしれません。ただし、症状としては、ある時期はアトピーが出たと思ったら、ある時期は感覚過敏が強く出る、などのもぐらたたきのような情況になることがあり、親子ともども疲弊してしまうことがあります。