Engrishとは、ネィティブの英語話者が(特に)日本人の英語を馬鹿にする(揶揄する)ときによく使う言い回しです。日本人が「r」と「l」の発音の区別が苦手であり、本来「l」で発音すべきところを「r」発音することが多いことからです。
日本人が「r」と「l」の発音の区別が苦手なのは有名ですが、他に日本人が気がついていない日本人英語の発音の問題としては、
文章の最後を必ず母音で終わらせてしまう
というのがあります。
日本語は子音+母音(例:「か」は ka )のセットで発音する言葉がほとんどであるため、発音するときは必ず母音を最後に発音する、というのが無意識の癖になっています。子音だけで発音する、子音で文章の最後を終わらせる(例外:ん 「nn」)というのが習慣にありません。
そのため、母音を必ず大きく発音して文章の発話を終わらせるのですが、これはアメリカ人にとってはかなり奇異に感じるらしく、アメリカ人にとっては日本人を表現するのに典型的なアイコンになっています。例えば、アメリカの映画、特に第二次大戦ものの映画やドラマに出てくる日本兵は必ず、「あいあむ あ じゃぱにいずう そるじゃあああ」とこれでもかというほど母音を強調した日本人英語を話します。映画に出演した日系人が、流暢なアメリカ英語を話すと、監督から「それでは日本兵らしくない」とダメ出しをくらい、語尾に母音を強調させた日本人英語に直させられたそうです。
これは日本人が、日本語を話すアメリカ人にたいしてもっている典型的なイメージと対になっていますね。ドラマやアニメに出てくる日本語を話すアメリカ人は、やたらそれぞれの単語の第一音節にアクセントを強調して発音します。「わたしは あめりか から きました~」とか発音しています。
子音だけで発音するというのを理解する
ですから、きちんとした使える英語をマスターしたいと思われる方は、英語と日本語の発音のしくみが違う、とくに英語は子音だけで発音することが多いことを理解する必要があります。できれば、小学生の間にこの違いを理解して、英語の発音のしくみを体(耳)で覚える必要があるでしょう。ひとつの方法としては、フォニックスで英語の発音を覚えるというのがあります。
カタカナでルビをふるのを禁止する
上記のような、「正しい」英語を学べるところは実は案外少ないです。インターナショナルスクールや帰国子女が多い学校はともかく、多くの学校はそこまでしてくれる余裕はありません。ただし、意識の高い進学校などは、中高で英語を学習する際、英語の単語でカタカナでルビをふることを禁止しているところがありました。英語の発音をカタカナで覚えると、カタカナ英語で発音してしまい、それは全くネィティブに通じないことがわかっているからです。英語の単語を英語の発音、あるいは発音記号で覚える、というのは英語初学者にとってはかなり大変なことです。これに耐えることができる生徒、および生徒の能力を信じて、カタカナ禁止にできる学校側の意識の高さがあって初めて可能なのです。
多くの学習塾の教材
たいていの学校はそこまで生徒に要求しません(できません)。また、多くの学習塾や補習塾の教材を見ると、たいていは単語にカタカナの読み方がかいてあります。ひどい場合は it の読み方を「イット」とか書いています。こう書かれていると、たいていは、母音を無意識に発音に入れてしまうのです。
使える英語を学びたい人は・・
英語の学習で人々が望むレベルというのは人それぞれでしょう。ある人は、せっかく英語を学習したからには、「使える」レベルまでマスターしたい、と望まれるかもしれません。あるいは、単に進学に必要、受験科目にあるから、というだけの人もいるでしょう。前者の方は、できるだけ早い段階で、カタカナ発音をやめるようにしていかないと将来大変です。後者の、英語は受験までで、将来は使わないだろうと割り切った考え方の人は、一般のカタカナ英語のルビが振られた教材で英単語を覚えてしまってもOKです。