京都の西部地域で家庭教師を行っております。主に発達障害のお子さんの家庭教師をしております。


「こだわりが強い」を英語で説明するには

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OCD

発達障害(神経発達症)の特徴の一つとして「こだわりが強い」というのがあります。これを英語で説明するのは少し骨が折れるのではないでしょうか。例えば

He is obsessed with 〇〇. And he is always doing ☓☓.

とか説明が面倒で長くなります。

しかし、西洋文化圏では、これを説明するにに、たった3文字で大抵通じます。

それが、

OCD

です。

発達障害の人はOCDをもっている人が多い

OCDとは「obsessive compulsive disorder」という心理学用語で「強迫性障害」くらいの意味です。心理学用語なのですが、海外ではいつの間にか一般用語として「異常に几帳面な人、あるいは、こだわりが強い人。」という人を説明する言葉として用いられるようになりました。

このような人の性格や特徴を端的に表す言葉を知っていると、一発でその人を説明できることがあるので結構便利です。

以前ロシア人と話して、私が「自閉症の子供の教育をしている」と言って話していると、向こうが「自閉症の特徴とかってある?」と聞いてきたので、説明したのですがうまくいきませんでした。そこで向こうが「あなたが言っている自閉症の特徴ってOCDとか、そういうこと?」とか言ってくれたので、「そうそう、そういうこと。」とうまく話が続きました。実は私は「OCD」という言葉はジョジョの英語字幕で知ったのですが、そこで使われている言葉が実際の役に立つというのがよくわかりました。(でもロシア人でもOCDという言葉を知っているとはびっくりしました)

Information

ジョジョの奇妙な冒険の第4部で、吉良吉影という悪役が広瀬康一君というキャラをこれから始末するというときに、靴下の表裏が逆になっているのがどうしても気になりわざわざ元にもどす、というシーンがあるのですが、これを見た海外の人が、

He is so OCD.

と連呼していました。

車を並べることにこだわりがある男の子

昔教えていた生徒さんの中には、おもちゃの車を並べるのに非常にこだわりが強い子がいました。自分の並べ方や車間距離にこだわりがあり、ちょっとでもずれていたら癇癪をおこしていました。発達凸凹の人には物事の配置にこだわりが強いひとが多いですね。

名探偵はOCD

名探偵と言われる人もOCDの人が多いですね。

  • 有名なシャーロック・ホームズも
  • 名探偵ポアロも
  • 名探偵モンク

もみんなある意味OCDです。

こういうみんなが知っているキャラというのは、ある性格や特徴を説明するのに非常に便利な存在ですね。

例えば、OCDというのを説明するのに、もし「名探偵モンク」を知っている人がいたら、「OCDとはモンクみたいな人」と一発で説明できます。

OCDの人が加害者になるケースも

 OCDの人は探偵とかならそれほど他人に迷惑をかけないのですが、これが上司や経営者、家長だったりすると、その下の者へ非常な負担をかけることがあります。どうでもいいことに異常にこだわって、ちょっとしたことですぐにどなったり暴れたりしたりします。完全にパワハラやDVなのですが、本人は全然気がついていなかったりします。これは深刻な問題です。

日本人はみんなOCD?

アメリカ人から見ると、日本人の習慣や行動はある意味「OCD」に見えるときがあるそうです。例えば、名刺を渡したりするときなどは、心の中では、

「なんでそんな馬鹿正直に丁寧にする必要があるのだ?日本人はOCDだな

と思ったことがあるそうです。正直なアメリカ人は私にそう言ってくれました。

ただし、注意しないといけないのは、治療を必要なレベルと日常会話で使うレベルでは、言葉のニュアンスや深刻度が違うということです。本当に精神医学上のOCDであることもあるので、気をつける必要があります。

Warning

OCD(Obsessive Compulsive Disorder/強迫性障害)は、心理学および精神医学において「本人の意思に反して繰り返し生じる強迫観念(例:不潔恐怖や加害の不安)と、それに伴って行われる強迫行為(例:過剰な手洗い、確認行動)によって生活に支障をきたす状態」と定義されます。診断上は、こうした思考や行動が1日の中でかなりの時間を占め、本人が苦痛を感じており、社会的・職業的機能に影響を与えていることが条件となります。

一方、日常会話では「OCDっぽいね」「それってOCDじゃない?」というように、几帳面さやこだわりの強さを指して軽く使われることがあります。たとえば、ペンの配置がずれていると落ち着かない人や、完璧にファイル整理されていないと不快になる人に対して、冗談交じりにOCDという言葉が用いられることがあります。

しかし、こうした使われ方は本来の疾患の重みを誤認させるリスクもあります。強迫性障害は単なる「几帳面」や「こだわり」とは異なり、本人がその行動を望んでいないのに、不安を打ち消すためにやむを得ず繰り返してしまうという側面があります。軽々しく用いることで、実際に苦しんでいる人の体験を矮小化してしまう可能性もあるため、慎重な言葉の扱いが求められます。


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