
軽い読字障害(ディスレクシア)をもっている人には最適の音声読み上げソフト
LDの中でも特に読字障害を持っている人向けの音声読み上げソフト「デイジーポッド」の紹介です。
LDの人の中には、教科書の活字が読めない、あるいは読めないまではいかないが読むのにかなりの負荷がかかる、という人がいます。そのような人にとっては教科書の文章を音声で読み上げてくれるソフトがあれば大きな助けになるのではないでしょうか?
そのような方はデイジーポッドを使ってみるのがいいかもしれません。
マルチメディアデイジー教科書 とは?
デイジーポッドを提供しているのは、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会です。
マルチメディアデイジー教科書は、通常の教科書と同様のテキスト、画像を使用し、テキストに音声をシンクロ(同期)させて読むことができるものです。
ユーザーは音声を聞きながらハイライトされたテキストを読み、同じ画面上で絵をみることもできます。
出典:「マルチメディアデイジー教科書 」 2018/08/04
デイジーポッドの利用方法
デイジーポッドを使って教科書の音声読み上げをする場合、以下の手順が必要です。
- マルチメディアデイジー教科書の利用を申請する。(ホームページから申請する場合 )
- デイジーポッドを入手してインストールする。(PCの場合)(iPad/iPhone/iPod touchの場合)
- デイジーポッドを起動したあと、必要な教科書のダウンロードをする。(起動⇒教科書ダウンロード)
ブラウザに直接入れることも
直接ブラウザから必要な教科書をダウンロードして、音声ソフトを再生する方法もあります。
デイジーポッドを利用する方法と比べて機能に制限がかかるのかどうかはわかりません。
補足:市販の学習ソフト、アプリの是非について
特性といっても人によっていろんなタイプがあるので、「これだったら絶対にだれでも夢中になる」という学習ソフトは残念ながらありません。いろいろ試してみるしかないでしょう。
例えば、私が担当していた生徒さんの中で以前ある学習ソフトを試みた人がいたのですが、結局定着しなくてやめてしまいました。その生徒は「自分のリズムで考える」ことはできるが、「相手のリズムに合わせて考える」というのが全く出来ないタイプの特性の生徒でした。そのソフトは問題を出してから解答がでるまでの時間を解答者が設定できないために、解答者は答えが表示されるまでずっと待っていないといけないタイプのものでした。(つまりスキップ機能がない)。「タイミングを相手に合わせることができない」というタイプの特性の人の場合、その程度のことでもかなりの障害になります。
Edgeは右クリックで読み上げ機能がついている
あまり知られていませんが、ブラウザのマイクロソフト「Edge」は右クリックで音声読み上げ機能がついています。かなり精度が高くて、普通のコンテンツを読むのに問題はありません。LDの人が一般のネットのコンテンツ、ニュースなどを知るにはとても役にたちそうです。聴覚優位の人や弱視の方なども重宝しそうです。
(2025/6 現在)今のところChromeやSafariでは、拡張機能やAPIを入れないと音声読み上げ機能はつかないようです。こういう点からすると、Edgeというのはアクセシビリティに関してはかなりおすすめです。Internet Explorerの時代はひどいブラウザを作っていたマイクロソフトでしたが、これに関しては正直すばらしいです。
リーディングトラッカーと併用してみる
パソコンで教科書を読む時は、上記のデイジーが活躍しますが、紙に書かれた記事・教科書の文面を読むときは、リーディングトラッカーを使うのがいいでしょう。