毒親という言葉をご存知でしょうか?
子どもにとって、毒になる行動を取ってしまう親のことです。
子どもを虐待したり、進路を阻んだりするようなことをしていまいます。
このようなわかりやすい例はもちろん毒親なのですが、親が意識していないけれども、実際には”毒親”になってしまうことがあります。
ダブルバインド
その一つとして、子どもをダブルバインドの状態にしてしまうというのがあります。
ダブルバインドというのは、相手に相反(矛盾)する2つの指示を出して動けないようにするというものです。
例えば、母親が娘に、
「あなたもいい年何なんだから、もっとしっかりして自立しなさい」
とか言っていたりします。
その一方、娘が、いざ自分でしようとすると、全部先回りして、
「あなたちゃんとこの用意した?全部やらないとこんな酷いことになんねんで。世の中こんな怖いことあんねんで。怖いやろ。私の行った通りしんとえらい目に合うで」
とか先回りしてダメ出ししたりします。
そして、
「私ほどあんたのこと心配してくれる人、この世におらんのよ。わかっている?そうやろ、私しかこの世におらんのよ」
とか言ったりします。
こうなると子どもは動けなくなります。反抗できたり、親から逃れられる子はともかく、優しすぎる子は、怒りを出せなくなって、拒食症や過食症になったりします。
典型的な会話例
小さい子供あいての例だとこうなります。
母親:「もっと自分の考えをしっかり持ちなさい。いつも人の言うことばかり聞いてたらダメよ。」
子ども:「うん、じゃあ今日は僕の意見を言うね。友達と遊びに行きたいんだ。」
母親:「何言ってるの?お母さんの言うことを聞くのが普通でしょ。宿題を終わらせてからにしなさい。」
子ども:「え…じゃあどうすればいいの?」
母親:「そんなことまで聞かないで。自分で考えなさい!」
このように、「自分で決めなさい」と言われつつも、母親の意向に従わないと否定されることで、子どもはどう行動すべきか分からなくなり、心理的な混乱を抱えてしまいます。ダブルバインドは長期的に自己肯定感の低下につながることもあるため、注意が必要です
ダブルバインドをする人の深層心理
ダブルバインドを相手にかける人の持っている深層心理としては、
- 相手を束縛したい、相手を自分の手元から離したくはない
- 相手を自信のない状態において、自分の方が精神的優位に立ちたい
- 自分が相手に依存したいのに、相手が自分に依存していると思いたい
- 自分の不安のエネルギーを相手に受け取ってほしい
というのがあります。また、これらの心理をもっているにも関わらず、ダブルバインドをかける人は、自分自身のこのような心理に関しては、無自覚であることが多いです。それはその人が心理的に未熟であったり、あるいは本人が一番弱いところであるために、無意識に自分を守って認知しないようにしているからです。
敬して遠ざける
ダブルバインドを掛けてくる相手に関しては、「敬して遠ざける」というのが一番いい対処法です。相手のプライドを潰さないようにしながらも、相手の意図を受け取らない、というのが大事です。変に協調性が高い、優しいタイプの人は、相手をしすぎるので、病んでしまうことがあります。そのような人は専門家と相談しながら対処していきましょう。