京都の西部地域で家庭教師を行っております。主に発達障害のお子さんの家庭教師をしております。


一般クラスに入ったほうがいい場合もある


発達障害(神経発達症)の人が小学校・中学校の時期に、どこの学級に属したほうがいいか、というのはかなり難しいところです。一般的には、知的な問題を抱えているお子さんは、支援学校を選んだほうがいい場合が多いです。あるいは、個別の問題(例:こだわりの強さ、対人恐怖、感覚過敏、等)を強く抱えている方も、支援学級のほうが手厚い支援が得られることになる可能性が高いです。

ここで難しいのが、知的な面でグレーゾーンのお子さんたち、あるいは知的には問題はないが、なんらかの特性(例:こだわりの強さ、対人恐怖、感覚過敏、等)を抱えているお子さんのようなケースです。このようなタイプは完全に一般クラスに入り続けて、授業や学校の行事に溶け込んでいくのがしんどいことがあります。かといって完全に支援学級行くのは、能力的にもったいない、ということがあります。

昔は学校のカリキュラムの体制が固くて、一般クラスと支援学級のどちらかしか選ぶことができず、上記の子供さんは自分の適切な居場所をみつけることがなかなか難しかったです。しかし、現在では、かなり融通が効くようになり、一般クラスと支援学級の両属のような形で所属して、好きな教科だけ一般クラスを受講できる、という形の学校も増えてきました。また、情緒学級、あるいは育成学級という学級を作ってくれているところだと、そこに在籍することで上記のタイプのお子さんの居場所を作ることができるようになっています。

「普通の子」の世界を知ることも大事

いじめにあったり、勉強面でどうしても無理だ、ということなら無理に一般クラスに在籍する必要はないでしょう。学校というものに対してトラウマになるくらいなら一般クラスに無理に行くことはないです。また、発達のタイプによっては、集団生活、学校という雰囲気が根本的に苦手、という人もいらっしゃいます。そのような人も無理して行くことはないでしょう。

ただし、そこまで苦手ではない、というタイプの人なら、一般クラスと育成クラス等の両属という形でいいので、一般クラスを経験することは悪いことではないです。

なぜなら、長い目で見ると、一般クラスを知っておくと、いろんなタイプの人が世の中にいる、ということを体験することができて、人間の幅が広がるからです。これは本人が子ども時代のときは全く気が付かないことでしょうし、もしかしたら本人にとっては嫌な経験になるかもしれません。それでも長い目で見るといろんな人を知ることは、世界観を広げるのに役に立つからです。

支援クラスしか知らない子供さんはどうしても、支援学級→支援学校のコースになり、一般の子供さんの住んでいる世界と切り離された世界に住んでしまうことが多いです。支援学級は先生も子供さんを「お客さん」として扱っており、どうしても純粋培養で育ってしまいます。そのため一般の人の価値観や性格を知らないまま大人になってしまうことが多いです。

知的に問題がないタイプの人は、少しくらいは一般クラスを経験しておいたほうがいいでしょう。彼らにとっては、普通の子と接することが、一番「世界」と接する経験になっているからです。

ある有名芸能人の方は、自分の子供さんを、私学の小学校ではなく、地元の普通の公立小学校に入れたそうです。その理由としては、「一般の公立は、世の中のありとあらゆるタイプの子がいる。ある意味社会の縮図だ。少しは不快な経験をするかもしれないが、それを知っていることが一番の社会勉強になる。芸能人だからといって、一般社会の常識から遊離することがなくなる」ということだそうです。


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